Q.
建物賃借人が室内で死亡し、その遺体が長期間放置されていたため、壁床の貼替工事等が必要になりました。その貼替工事等により、一定期間、第三者への賃貸ができないため、賃料の減収が生じそうです。このような場合、建物賃借人の相続人に対し、賃料減収分の損害賠償請求を行うことは可能でしょうか?
A.
建物賃借人の死亡原因が自殺等の予見可能な死であれば、建物賃借人は、建物の賃借に際し、善管注意義務を負っていることから、その義務違反を前提に、建物賃貸人は、その相続人に対し、賃料減収分について、損害賠償請求を行うことができます。
一方、建物賃借人の死亡原因が予見可能な死ではない場合又はその死亡原因が不明な場合、建物賃貸人は、建物賃借人の善管注意義務違反を前提に、その相続人に対し、賃料減収分について、損害賠償請求を行うことができません。