Q.
建物に抵当権が設定されていた場合、建物賃借権は、どのように取り扱われますか?
A.
建物に抵当権が設定されていた場合、建物賃借権は、次のように取り扱われます。
(1)建物賃借人に建物が引き渡された後に建物に抵当権が設定された場合
⇒建物賃借人は、抵当権者に建物賃借権を主張することができ、そのまま建物に居住することができます。
(2)建物に抵当権が設定された後に建物賃借人に建物が引き渡された場合
⇒建物賃借人は、抵当権者に建物賃借権を主張することができないため、競売により建物の所有権が新たな所有者に移転し、その所有者から明渡請求を受けたときは、そのまま建物に居住することはできません。
ただし、建物の競売における新たな所有者の買受けの時から6か月を経過するまでは、明渡猶予の意味合いでその建物を明け渡すことを要しないとされます。
その際、建物使用の対価について、新たな所有者が建物賃借人に対して相当の期間を定めて1か月分以上の支払の催告をしたときは、建物賃借人は、これに応じる必要があり、万一、建物賃借人がこれを拒絶したときは、建物賃借人は、直ちに建物を明け渡す必要があります。